【まちやど】地域全体がひとつの宿。地域の魅力は、地域の“ひと”。つながりを大切にしている宿、“蔟屋 MABUSHI-ya” をご紹介。〔群馬県富岡市〕

こんにちは、リサです。
最近の記事が、『パフェ』と『ビール』ばっかりで偏ってるな~と思い、ひさしぶりに宿のお話をしようかと思います。
今回訪れたのは、“まちやど”とよばれる宿泊施設です。
いままで、紹介してきたホテルや旅館とはまた違った魅力があり、素敵な方々にもお会いすることができました。
ぜひ興味があれば、読んでくださるとうれしいです!
ではどうぞ!
そもそも“まちやど”ってどんな宿?
みなさん“まちやど”って聞いたことありますか?
近年、日本の、特に地方の地域が抱える様々な課題を解決するとともに、持続可能なまちづくりを実現すると注目されている“分散型ホテル”の一種。
分散型ホテルとは、
イタリアの“アルベルゴ・ディフーゾ”(直訳で分散したホテル)をはじめとする
『空家をレセプションや客室に、村の食堂をレストランに改修し、宿泊施設の要素が集落全体に分散させて集落全体を宿泊施設として捉える考え方』
引用:渡辺康・岡安佐和・垂井理帆「6051 イタリアの集落の空き家再生における運営と改修の調査研究 : アルベルゴ・デフーゾの事例」日本建築学会『学術講演梗概集』、2015年、101-102頁。
のことをいいます。
なので一般的なホテルが、ひとつの箱の中にすべての宿泊機能が集まっている。
対して、分散型ホテルはその宿泊機能がまちに点在しているホテルのことを言います。
具体的に“まちやど”とは、「まちを一つの宿と見立て宿泊施設と地域の日常をネットワークさせ、まちぐるみで宿泊客をもてなすことで地域価値を向上していく事業」のことを言います
2017年には日本で「一般社団法人 日本まちやど協会」が設立され、2020年時点で23もの施設がこの協会に加盟し、“まちやど”の普及や認知度の向上に取り組んでいます。
まちやどの魅力は、なんといっても!
「暮らすように泊まる。」
まちを一つの宿に見立てることで、宿泊客があたかもそのまちの住民になったかのような、新しい宿泊体験をすることができます。その体験は世界に二つとないものになるでしょう。
宿を運営する地域では、すでにある資源をつなぎ合わせ、日常を最大のコンテンツにすることによって、ただ地域を消費する観光ではなく、暮らしや日常を豊かにするツーリズムを実現することができます。
今回は群馬県富岡市にある“まちやど”「蔟屋 MABUSHI-ya」に宿泊してきました!
「蔟屋 MABUSHI-ya」

開業は2019年4月13日、なので大体できてから2年ほどの新しいまちやどです。
コンセプトは、
「富岡の日常を通して“富岡の家族”を増やしていきたい。」
人口5万人弱の小さな地方都市、富岡。富岡と聞くと多くの人は富岡製糸場を思い浮かべるのではないでしょうか。でも、私たちが思う本当のこのまちの魅力は、まちの人たち。
引用:蔟屋 MABUSHI-ya 公式ホームページ
すれ違う人に「こんにちは!」って挨拶して、「どこ行くん?」って 声を掛け合うのは日常なんです。
でも、ちょこっとここに来ただけでその魅力を感じてもらうのは難しい。そこで、ここを訪れた人たちと、まちの人たちが出会う場所を作ることにしました。
昨年10月29日に1泊2名で利用しました。

ここが蔟屋の玄関となる「洋品店いりやま」
宿を運営している株式会社富岡まち繰るみ舎の一人が運営されているお店です。
チェックインのためのカウンターなどはなく、こういう地域のお店でチェックインの手続きをし、地域のおばあちゃんが洋服を見ているなか、宿泊に関する説明をうけるという、なんとも不思議な状況でした。笑
客室‐『千代菊』『三㐂松』


蔟屋の客室は全部で2室。
もともと芸者さんの住居だったものを改装して、客室に。
昔からある家具や、古民家らしさを引き立たせる照明、天井の梁をむき出しにすることで感じられる建物の歴史など、普段の家とは全然違うのに、おばあちゃんのお家に遊びに行ったようなどこか懐かしく感じてしまう客室でした。


自分の写真だけじゃ伝えきれないので、公式の写真も!




個人的にお気に入りなのは、急すぎる階段と曲げわっぱのような樽風呂です。
私のひいおばあちゃんのお家もかなり急な階段がありましたが、ここの階段はさらに急で、上るのはいいんですが、下りがこわくて。笑
お風呂は、ふわっと檜の香りがして、木の温かみを感じながら湯につかれるのがとても気持ち良かったです。
人の魅力をつたえる、宿泊体験を。
このまちの魅力は「まちのひと」とあるように、この宿に泊まった人には、地域住民の方々と直接会って話せるようなアクティビティが豊富に提供されていました。




私は、朝さんぽに参加させてもらいました。
宿から徒歩15分ほどの河川敷まで、洋品店いりやまの店主の方と一緒にさんぽをして、河川敷ではホットサンドとコーヒーを飲みながら朝焼けを眺めるという、素敵なプランです。


ホテルで働いてきたからこそ思ったのは、ゲストとスタッフにはどこかしら越えられない壁や関係性があるのに対し、蔟屋ではその壁をいったん置いておいて、一人の人間同士で他愛もない会話ができるということです。
ついさっき知り合ったばかりの人同士が、こういったお散歩中の会話がきっかけで打ち解け合うなんて、そうそう簡単なことじゃないですし、まちの魅力がひとだといわれたように、人の好さがあったからこそ、こんな素敵な宿泊体験をすることができたのではないかなと思いました。
まとめ
今回は群馬県富岡市にある“まちやど”、蔟屋 MABUSHI-yaをご紹介しました。
まちやどのなかでも、どちらかというと民泊に近い宿泊施設でしたが、民泊と大きく違うのは、まちに住まわれている住民の方々も宿泊客を歓迎して、まちぐるみでおもてなししてくれるという点です。蔟屋さんは、ただおもてなしするのではなく、まちの人と宿泊した人で楽しさを共有していることがとても大きな特徴だなと思います。
実は卒業論文の調査で今回宿泊させていただいたんですが、宿泊してわかったことを客観的に分析して文章にするということはしたものの、純粋に泊まって思った感想を書けていなく、今回ブログの記事でその感想を書かせていただきました。
調査ではインタビューもさせていただいたので、実際にまちの方からお話を聞く機会があったんですが、本当に皆さん素敵な方で、夕食を一緒に食べているときには、本当に今日が初対面なのか?と感じるほど、楽しく会話をしながら時間を過ごせて、富岡市の魅力を直に感じることができました。
ぜひ旅好きの方には、こういった新しい旅、宿泊の形を体験していただきたいです!
‐蔟屋 MABUSHI-ya‐
〒370-2316 群馬県富岡市富岡39‐2
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